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にこにこ和尚

2022年12月30日

Happy News 第950号【人口減少で日本消滅?】(1)

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【人口減少で日本消滅?】(1)
(『人口戦略法案』山崎史郎著、日経BP)

今年12月20日の厚生労働省の人口動態統計発表速報値によると、2022年の年間出生数が77万人台となることが分かりました。国の予想では2030年に80万人割れを予想していたが、それより早いペースで少子化が進んでいる事が明らかになったのである。また、女性一人が生涯に産む子供の人数、合計特殊出生率は2021年が1点30で6年連続減となった。

予測だと日本の人口は2065年までに8800万人になり、ピーク時の2008年1億2808万人の3分の2まで減少すると言われています。このままだとイーロンマスク氏の言うように日本は消えてなくなるのでしょうか?日本の将来に対する海外の見方は厳しく、人口減少と国家債務の2つの懸念があり、人口減少とそれに伴う超高齢化が日本の国力を衰退させていくのではないかという見方が強い。

出生数は一人の女性が一生で産む子供の数、合計特殊出生率(出生率)と出産が可能な再生産年令(15~49才)の女性人口によって決まる。親の世代と子の世代が1対1で置き換わり、人口が増えも減りもしない出生率の水準を人口置換水準と呼ぶが、出生率が人口置換水準の2点07 以上にならない限り、人口減少はいつまでも止まらない。出生率が2点07に回復しても、それ以降も数十年間維持される必要があり、その間は減少が続く。

しかも、人口減少はいったん動き出すと、止まらずに、毎年政令指定都市クラスの人口が消失していく(2030年頃年間約80万人の減少、2060年頃年間100万人)。また、コロナの影響で出生数は一段と減少している。

出生率向上に即効薬はなく、今後事態は悪化する。現在の女性の出産時期は30才前後なので、今すぐ大きな複合的な対策を取ったとしても、その効果が現れるのは30年位かかる。フランスは100年以上もの長きにわたって少子化対策に取り組み、今日の高出生率を回復した。

GDPの大きさ、経済規模が国の経済力である。その経済規模は人口に密接に関連している。また、各国の国力(政治力、経済力、軍事力)も人口によって規定される面が強い。人口規模が国力や経済力を決めるのである。

世界の歴史は人口問題で動き、各国の国力(政治力、経済力、軍事力)も、人口によって規定される面が強い。また、1つの国の国内に複数の民族集団が存在するようなケースでは、民族集団の出生率の違いが、国内紛争の原因となる場合も多い。現にアメリカ分断社会の原因の一つともなっていると思われる。

潜在成長率は、資本蓄積X労働人口X生産性、この3つの掛け算であり、今後、労働力が決定的に不足する。

人口減少は必然的に高齢化を伴う。高齢化の最大の要因は出生率の低下である。超高齢社会では、医療、介護、年金などの社会保障を支える現役世代や企業の負担が増大する。これが経済にとって大きな重荷となり、成長率は低下する。

人口減少により住宅ストックや企業設備などの資本投入が減る。社会全体の貯蓄が減少し、投資の減少につながる。生産性の向上が停滞する。

人口減少は消費者減少による国内マーケットの縮小を意味し、国内への設備投資が減ってしまい、イノベーションも減り、生産性も減る。日本経済はマイナススパイラルに陥ってしまう。人口が減るという事は、日本にとっては大変な危機なのである。

人口減少が続くと、経済へのマイナスの負荷が需要面、供給面の両面で働き合って、マイナスの相乗効果を発揮する。そして、いったん経済規模の縮小が始まるとそれが更なる縮小を招く縮小スパイラルに陥る。そうすると、実際の国民生活の質や水準を著す一人当たりの実質消費水準が低下し、国民一人一人の豊かさが低下する事態となる。国力が低下し、それに伴って、国際社会における日本の存在感も低下し続けるであろう。

社会面に与える影響は、すでに急激な人口減少段階に非っている地方を見るとよく解る。人口減少が進むと、住民生活を支えてきたサービス業や商業が順次撤退していく。たとえば、ショッピングセンター、病院、小売店や飲食店などである。さらに学校なども統廃合が進みつつあるのが実情である。シャッター街や、空き家や空き地が増える。鉄道のバスへの転換が避けられなくなり、そして、地方自治体が単独で存立できるかどうかが問われる状態となる。

国土交通省の試算だと2050年には6割の地域で人口は半分に減少し、2割の地域では無居住化すると推計されている。こうした動きが進んでいくと、最終的には多くの日本人が、大都市に集中して住み、大半の地方は無居住化が進む「大都市集中社会」となることが予測される。

人口減少が続けば、いずれ消費や投資が減退し、最終的に失業と貧困が増加する。出生率の低下に伴い、高齢化率が高まることによって、労働意欲や労働生産性が低下し、広範な社会心理的停滞が起こる懸念が強い。人口減少による困難な事態が顕在化する前に、それを避ける予防的社会政策を講じることが重要であり、その方策として、全ての子供の出産、育児を国が支援する「普遍的福祉政策」を推進すべきである。

日本が人口減少の局面に入ったのは2008年。いったん人口減少が始まると、減少のスピードは速くなっていきます。出生率は1点34に低下しており、反転の兆しが見えません。最近のコロナ禍によって一段と低下しています。日本は人口減少という長くて急な坂道をまさに転げ落ちつつあります。日本の人口はこのままいけば、2110年には約5300万人になると推計されています。また、人口減少は必ず高齢化の進行を伴います。予想されている将来の日本は、高齢化率が40パーセントに近い年老いた国です。

東京権には若年女性人口の3分の1が集中しており、東京圏の動きが日本全体の出生率を左右するような状況となっている。その東京圏は子供を産み育てる環境としては非常に厳しく、それゆえに、出生率は東京都が全国最低の1点13(2020年)である。千葉県、神奈川県など、東京圏は軒並み低い出生率である。

人口減少により、労働力が決定的に不足してくる。労働力の問題は、すでに地域や職種によって深刻な事態となっているが、時間の経過とともに、それが全地域、全業種に広がっていく。

人口の年令構成が変化してくる。高齢化する。人口減少社会とは、超高齢化社会であり、医療、介護、年金などの社会保障を支える現役世代や企業の負担が増大する。これが経済にとって大きな重荷となる。

人口減少は止まりっこない。止めるには、移民の受け入れしかない。個別分野の施策だけでは解決できない。若年世代の生活全般にわたる総合戦略が必要。「人口戦略」は国家百年の大計であり、未来への投資である。

(1)出生率の向上の為に、全国的に新たな子育て支援や働き方改革を図る。介護保険のように保険方式で、全国民、企業、公費で負担を分担し、未来への投資として、全ての夫婦や子供に対する出産・子育て・教育・医療・福祉・働き方改革を図る「こども保険」のような仕組みを創設する。

(2)出生率には大きな地域格差がある。子育て環境が厳しく出生率が非常に低い東京圏から転出して、出産育児がしやすい地方居住の動きを高める。

(3)最後の手段としての外国からの大規模移民受け入れを行う。
少子化の罠という仮説では、出生率がいったんある水準(例えば1点5など)を下回ると、自動的かつ不可逆的な自己減退過程に入り、元の水準に回復する事が難しくなるという説である。各種の総合的な対策を取ったとしても、人口減少をストップし、回復することは難しいと思われる。

最後の切り札的対策としては大規模な移民受け入れがあるが、日本は大規模な移民を受け入れられる社会なのでしょうか?将来、日本人全体が一つの選択を迫られる時が来るでしょう。
「日本社会に大規模な移民を受け入れるのか、それとも弱小国として生きるのか?」

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Posted by にこにこ和尚 at 11:26│Comments(0)
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